「旅行が好きなんです」と言うと、
なぜか婚活の場では微妙な空気になることがある。
「お金かかりそう」「落ち着かなそう」「家庭向きじゃない」――
そうやって勝手にイメージされる。
でも、よく考えてみるとおかしい。
“旅を愛する”って、本来とても人間らしいことだ。
知らない景色を見たい、心を動かしたい。
それは生きる意欲そのものだ。
婚活がうまくいかないのは、旅行が好きだからじゃない。
「動くこと」と「留まること」を、どちらか一方しか選べないと思っているからだ。
旅行が好きな人って、自由を求めているようで、
本当は「心が安らげる場所」を探している人でもある。
空港に立つときのあの胸の高鳴りは、
「どこかに、自分を受け入れてくれる場所があるかもしれない」という希望だ。
だから、旅好きの人が結婚に慎重になるのは自然なこと。
一つの場所に根を下ろす前に、
「この人となら旅が終わっても、自分でいられるか」を確かめたいだけだ。
それは逃げでもワガママでもない。
“本当の安心”を知っているからこそ、慎重になる。
旅行が好きな人ほど、恋愛に“物語”を求める。
一緒に何かを経験したい、景色を共有したい、
同じ空気を吸って、同じものを見て笑いたい。
でも婚活市場では、“非日常の魅力”よりも“安定”が評価されやすい。
だから旅好きは、少し不器用に見える。
でもね、安定って、動かないことじゃない。
安定とは、「動いても壊れない関係を作れること」だ。
だから、旅を愛する人が求めているものは、
実は一番“長く続く関係”の形なんだと思う。
旅行好きが結婚できない理由のもうひとつは、
「自分の世界を持っている人」に、他人が入りづらいから。
旅の感動も、自由の心地よさも、自分の中で完結できてしまう。
だから「誰かと共有しよう」と思える瞬間が少ない。
けれど、ほんの少し視点を変えれば、
旅を“共有の舞台”に変えることはできる。
次に旅をするとき、こんなことを意識してみてほしい。
「誰かと行くなら、どんな場所が似合うだろう?」
「この景色を見たら、どんな会話をしたいだろう?」
そうやって想像するだけで、
旅はもう“自分だけの世界”ではなくなる。
その想像力こそ、恋愛を引き寄せる力になる。
旅が好きな人は、感性が深い。
人の優しさにも、別れの痛みにも、敏感だ。
だからこそ、誰とでも結婚できるわけじゃない。
でも、それでいい。
旅を楽しめる人は、人生の静けさも楽しめる。
その両方を知っている人は、強い。
結婚とは、旅をやめることではなく、
一緒に旅の続きを歩ける人を見つけること。
動くことを恐れず、留まることに罪悪感を持たず、
「今ここも、旅の途中なんだ」と思えたら、
きっとその出会いは、あなたらしい形で訪れる。
焦る必要なんてない。
旅好きなあなたは、“行動できる人”。
行動できる人は、愛も必ず掴める。
ただその旅路が、少しだけ長いだけ。