婚活をしていると、
ふと、自分が小さくなっていくような気がするときがある。
プロフィールを作るとき、
「これじゃ誰の目にも止まらないかも」と思ってしまったり。
デートのあと、返信が来ないと、
「やっぱり私なんて…」と心が沈んだり。
気づけば、
“出会い”を探しているはずなのに、
“自信”を失っている。
「婚活 自己肯定感」――。
この二つの言葉は、本当は深くつながっている。
婚活とは、誰かに愛されるための活動ではなく、
“自分を信じ直すための時間”でもあるのだ。
婚活中に自己肯定感が下がるのは、珍しいことではない。
婚活という世界は、
“比較”と“評価”がつきまとう場所だから。
アプリでは「いいね」の数が数字で出て、
お見合いではプロフィールが見比べられる。
まるで、自分の価値が数値化されているように感じる。
そんな中で、
「自分は選ばれない側なんだ」と思い込み始めると、
心の中の小さな灯が、少しずつ弱まっていく。
でも、思い出してほしい。
婚活で必要なのは、
“自信満々の自分”ではなく、
“自分の価値を信じようとする姿勢”だ。
完璧じゃなくていい。
揺れてもいい。
それでも「私はここにいる」と思えること。
それが、婚活における本当の“自己肯定感”なのだ。
婚活がうまくいかないと、
人は「自分の何が悪いんだろう」と分析を始める。
話し方？ 見た目？ 年齢？
一つずつ修正しようとする。
もちろん、努力は素晴らしいことだ。
でも、気をつけたいのは――
“自分を改善する”ことと、“自分を否定する”ことは違う、ということ。
前者は、自分を大切にする行為。
後者は、自分を責める行為。
多くの人が、知らないうちにこの二つを混同している。
“もっと良くなりたい”という願いは前向きだ。
でも、“このままじゃダメ”という焦りは、自信を削っていく。
婚活で自己肯定感を保つコツは、
「足りない」ではなく「育っている」と考えること。
愛される力も、信じる力も、
人は生きながら少しずつ育てていくものだから。
ある女性がこう話してくれた。
「婚活をしていて、何度も落ち込みました。
うまくいかないと、自分の価値が否定された気がして…。
でも、あるとき気づいたんです。
“相手が私を選ばなかった”のではなく、“相手とは合わなかった”だけなんだって。」
それから彼女は、
“自分の価値”ではなく、“相性”を基準に見るようになった。
「誰かに好かれること」ではなく、
「誰と一緒にいると自分らしくいられるか」。
その視点に変わったとき、
彼女の婚活は少しずつ穏やかに進み始めた。
「自己肯定感って、自分を特別に思うことじゃなくて、
自分を普通に扱えることなのかもしれませんね」
彼女はそう言って笑った。
その言葉が、やけに胸に残った。
婚活における自己肯定感とは、
“自分をよく見せる力”ではなく、
“落ち込んでも戻れる力”のことだと思う。
誰だって、うまくいかない日はある。
メッセージが途絶えたり、期待した相手に断られたり。
でも、そのたびに心が壊れてしまうわけではない。
少し傷ついて、少し休んで、また立ち上がる。
それができる人は、
ちゃんと自分を信じている人だ。
自己肯定感とは、“揺れない強さ”ではなく、
“揺れても戻ってこられる柔らかさ”。
それがある人は、
どんな出会いの中でも、自分を見失わない。
婚活で自己肯定感を保つために、
私がよくおすすめするのは、
「日々の小さな“できた”を積み重ねること」。
・今日は笑顔で話せた
・返信を丁寧に書けた
・断られても感謝の気持ちを伝えられた
たったそれだけでもいい。
婚活は“結果”で自分を測りがちだけれど、
本当に見るべきなのは“過程”。
できたことを数える習慣が、
“私はちゃんと進んでいる”という実感を生む。
それが積み重なると、
静かで深い自己肯定感になる。
婚活の現場で、自信を失う瞬間はたくさんある。
でも、思い出してほしい。
“誰かに愛されたい”と思えること自体が、
人としての優しさの証。
傷ついても、人を信じようとすることは、
強さの証。
婚活とは、
自分を見失いそうになりながらも、
「もう一度信じてみよう」と思い続ける営みだ。
それは決して、弱いことではない。
むしろ、ものすごく勇気のいることだ。
自己肯定感は、
誰かに褒められて得るものではない。
それは、
「今日もちゃんと生きた」と自分に言える瞬間の積み重ね。
婚活が思うように進まない日も、
それでも笑って出かけた日も、
全部があなたの“誇り”になっていく。
婚活をしているあなたは、
すでに“自分を信じようとする人”。
その一歩を踏み出せている時点で、
あなたの自己肯定感は、確かに育っている。
婚活と自己肯定感。
この二つの関係は、
“選ばれるため”ではなく、
“信じられるため”にある。
誰かを信じる前に、
自分を信じること。
「私は、愛されるに値する人間だ」
そう思える日が、きっと来る。
焦らなくていい。
無理に明るくならなくていい。
あなたが“もう一度自分を好きになれる日”こそが、
本当の出会いの始まりだから。