婚活を始めると、
プロフィールの職業欄で手が止まる人は少なくない。
「どう書けば印象が良いだろう」
「地味に見えないようにしたい」
「正直に書いたら、興味を持ってもらえないかも」
婚活プロフィールは、
“自己紹介”であると同時に、
“選ばれるための入口”でもある。
だからこそ、
職業欄のたった一行にも、
「どう見られるか」という不安がにじむ。
けれど、ここで立ち止まって考えてみてほしい。
あなたが書こうとしているのは、“仕事”ではなく、“生き方”なのだ。
婚活の世界では、職業という言葉が
ときに“ラベル”のように扱われる。
「公務員」「看護師」「保育士」「会社員」「フリーランス」――。
そのひとことで、
性格や価値観までも想像されてしまう。
「安定していそう」「忙しそう」「家庭的そう」「自由そう」…。
けれど、
同じ職業でも、その中身は人それぞれだ。
“どんな仕事か”ではなく、“どうその仕事と向き合っているか”にこそ、
その人の人生が表れる。
婚活プロフィールの職業欄に本当に書くべきなのは、
「肩書き」ではなく、「姿勢」だ。
たとえば、
あなたが会社員だとして。
ただ「会社員」と書くより、
「人のサポートをする仕事をしています」
「日々、チームで成果を出すことにやりがいを感じています」
その一文を添えるだけで、
あなたの仕事の中に“温度”が生まれる。
フリーランスであれば、
「自由に働ける分、日々試行錯誤しています」
「お客様に喜んでもらえる瞬間が一番うれしいです」
完璧である必要はない。
“等身大のあなたがどう働いているか”を、
素直に伝えればそれでいい。
人は、立派な職業に惹かれるのではなく、 仕事に誠実に向き合う姿勢に心を動かされる。
婚活プロフィールで印象を決めるのは、
“職業”そのものではなく、“人柄”のにじみ方だ。
でも、職業欄に余白が少ないと、
どうしても「短くまとめよう」としてしまう。
その結果、
自分を最も無味乾燥に見せてしまう。
「会社員」
「派遣社員」
「事務職」
「アルバイト」
それだけ書いて終わらせると、
どんなに素敵な人でも“記号”のように見えてしまう。
だから、ほんの少しだけ言葉を足してみてほしい。
「穏やかな人間関係の中で働いています」
「今の仕事を通して、人の気持ちを考えるようになりました」
その一文に、あなたの価値観が滲む。
そして、価値観こそが、婚活における最大の魅力なのだ。
婚活プロフィールの職業欄には、
“経歴”を書く必要はない。
書くべきは、“人間味”。
もし「仕事にやりがいを感じていない」と思うなら、
それを無理に飾る必要もない。
「正直、仕事は生活のために続けています。
でも、休日は好きなことに夢中になれる時間を大事にしています。」
そんなふうに書いてもいい。
仕事そのものよりも、
“自分らしく生きているか”が伝われば、それで十分だ。
婚活では、
立派さより“安心感”が求められる。
そして安心感は、“肩書き”ではなく、“言葉のやわらかさ”から生まれる。
ある女性の話を思い出す。
彼女は婚活アプリのプロフィールに、
「医療系事務」とだけ書いていた。
「真面目に見えるし、印象は悪くないと思っていた」と言う。
でも、なかなかマッチングが続かなかった。
ある日、ふとプロフィールを見直して、
「人の健康を支える裏方の仕事をしています」と書き換えた。
すると、メッセージの反応が変わった。
「支える仕事って素敵ですね」と言われるようになったのだ。
“職業”は同じでも、“伝わり方”が変わるだけで、
“印象”も、“関係の始まり方”も変わる。
婚活プロフィールの職業欄は、
あなたがどんなふうに日々を生きているかを
そっと見せる場所。
それは「自慢」ではなく、「共有」だ。
自分の仕事を語ることは、
自分の世界を相手に開くこと。
「私はこういう世界で生きています。
どんな世界で生きてきましたか?」
そんな穏やかな問いかけを
一行の中に込めることができたら、
プロフィールは“選ばれる文章”ではなく、
“つながる文章”になる。
婚活で出会うふたりは、
“仕事”ではなく、“生き方”で惹かれ合う。
たとえ職業が違っても、
「この人は、自分の人生をまっすぐ生きている」と感じた瞬間、
相手の職業に対する見方が変わる。
どんな仕事であれ、
その中で見つけた“小さな誇り”や“日々の実感”が、
あなたの言葉に深みを与える。
それが、婚活プロフィールの職業欄に書ける
いちばん“人間らしい魅力”だ。
最後に。
婚活プロフィールは、“相手に選ばれるための履歴書”ではない。
“自分という人間を、誠実に紹介する手紙”だ。
だから、
「どう見られるか」ではなく、
「どう伝えたいか」で書いてほしい。
職業欄の一行が、
あなたの“肩書き”ではなく、“生き方”を映す場所になるように。
その一行に、あなたらしい呼吸が宿ったとき、
言葉はきっと、誰かの心に届く。