結婚相談所や婚活アプリを使い始めた女性の多くが、最初の壁としてぶつかるのが「仮交際の同時進行」というテーマです。
「気になる人が2人いて、同時にやりとりしてもいいの?」
「何人まで同時進行してもマナー違反じゃない?」
「気持ちがごちゃごちゃして疲れてしまう…」
仮交際とは、まだ「お付き合い」ではなく、あくまで結婚相手としてふさわしいかどうかを見極めるための段階です。理屈ではわかっていても、誠実でありたい気持ちと、戦略的に動かなくてはという焦りの間で葛藤する女性は少なくありません。
本記事では、実際の体験談や心理的な背景を交えながら、後悔しない同時進行の人数、気をつけたいマナー、そして“自分らしい婚活”をするための判断軸を徹底解説します。
仮交際の本当の意味と、なぜ同時進行が必要なのか
仮交際は「比較」ではなく「確認」の期間
婚活における仮交際とは、相手の性格や価値観が自分に合うかどうかを冷静に確認する時間です。まだ独占的な関係ではないため、複数人と同時に会うことが原則として許容されています。
特に結婚相談所では、仮交際の段階で1人に絞ることを推奨していないところも多く、むしろ複数人と同時に進めることが自然とされています。
なぜ同時進行が勧められるのか?
- 1人に絞ってしまうと、比較対象がなくなり、相手に依存しやすくなる
- 複数人と会うことで、自分にとっての「自然体でいられる人」が見えてくる
- 1人がだめになったときの精神的リスクを回避できる
とはいえ、「じゃあ何人までOKなの?」という疑問は尽きません。次章では、実際に仮交際を経験した女性たちの声をもとに、リアルな“ちょうどいい人数”を探っていきます。
経験者が語る「同時進行、ちょうどよかった人数は?」
【体験談①】Yさん(37歳/メーカー勤務)
「3人同時進行は自分にとって限界でした。毎週末に予定がびっしりで、金曜夜・土曜昼・日曜夕方…みたいな生活になっていて、仕事以上にスケジュール管理に神経を使いました。
しかも、LINEも毎日来るから、誰にどこまで話したか混乱して…。でも、あえて複数人と向き合う中で、共通点や違和感にも気づけました。
例えば、“話しやすいけど一緒にいて疲れる人”や、“共通の趣味があるけど何か合わない人”など、自分の感覚に正直になるためには、やっぱり比較する相手が必要だったと思います」
補足:Yさんは真面目で優柔不断な性格ゆえ、1人に絞ると情が移りやすいタイプ。同時進行に苦しみながらも、自分の“恋愛パターン”を客観視できた点は非常に大きな気づきとなりました。
【体験談②】Nさん(35歳/病院事務)
「婚活を始めたばかりの頃は、“誠実さ=一途であるべき”と思っていました。でも、2人とやりとりしていたうちの1人が、ある日ぱったり連絡が途絶えて…。一方の人とは関係が少しずつ進展していて、会話も自然だったので救われました。
同時進行って、単なる戦略じゃなくて、“心の保険”なんだと気づきました。自分が消耗しすぎないためにも、ある程度の余白って必要なんだなって思います」
補足:Nさんのように、“相手が離れた時の精神的なリスク”を回避する手段としても、同時進行は有効です。一人に賭ける婚活は、うまくいかなかったときのダメージが大きすぎます。
【体験談③】Kさん(39歳/人材業界)
「焦っていたんです。年齢的にも“今決めなきゃ”という思いが強くて、紹介された4人全員と同時に会っていました。最初は楽しかったけど、途中から“誰がどんな人か分からなくなる”現象が起きて…。
全員に対して分析モードになってしまい、“結婚相手”として減点方式で見てしまった結果、誰にも決められず、結局全員お断り。今思えば、選択肢が多いことで“選べない罠”にはまっていたんですよね。あれ以来、私は2人までと決めています」
補足:仮交際を“情報収集”と捉えすぎると、人間関係が“データ”になってしまいがちです。Kさんのように、「比較しすぎて見えなくなる」リスクは覚えておきたい点です。
平均して「2〜3人」が現実的なライン
複数の体験談から見えてくるのは、自分の性格・婚活へのエネルギー・仕事との両立をふまえた「処理できる人数」が、ちょうど2〜3人だということ。
もちろんこれは人によりますが、“判断できる範囲”を超えると、むしろ婚活が疲れる原因になってしまうという共通点は多くの方に当てはまるでしょう。
同時進行を成功させるための5つのマナーと心構え
1. 予定管理は徹底。スケジュールアプリとメモを駆使する
仮交際では「誰といつ会うか」「前回どんな話をしたか」を忘れがちです。週に2〜3人と会う場合、記憶だけに頼ると必ず混乱します。
- スマホのカレンダーに「◯月◯日 Aさん/ランチ(仕事の話が多め)」とメモ
- 会話のポイントや相手の趣味・印象などを、デート後すぐに記録する
- メールやLINEも、読み返して混同を防ぐ
少し手間ですが、“相手を丁寧に扱う意識”が自然と伝わります。
2. SNSで匂わせはNG。仮交際はあくまで非公開の時間
「今日は素敵なレストランでディナー」など、特定の投稿は相手によっては“自分とのデートだと思っていたのに違った”と受け取られる可能性も。
特に、結婚相談所経由や婚活アプリ経由で知り合った場合、フォロワー同士でつながっているケースも少なくありません。
仮交際期間は、自分と相手の関係を育てる“静かな時間”と心得ておきましょう。
3. 自分の「誠実さ」の基準を持つ
同時進行=軽い、という印象を持つ方もいますが、それは自分の中で「誠実とは何か」が明確でない場合に起きやすい誤解です。
- 自分の気持ちが固まっていない段階では、むやみに“好意”を匂わせすぎない
- 「あなたしか見ていません」的な言動は避ける
- 会話でも、“比較しているように聞こえる話題”は避ける(例:「前に別の人と行ったお店で…」など)
誠実さは、「何人と会っているか」ではなく、「どう向き合っているか」によって判断されます。
4. 感情を整理する時間を意識的に取る
仮交際が立て続けになると、自分の気持ちをゆっくり見つめる時間が取れず、「誰がいいか分からなくなった」という状態に陥りがちです。
- デート後、30分だけでも“感情を言語化する時間”をとる(手帳やスマホメモに感想を記録)
- 「自分がどんな気持ちで会っていたか」を振り返ることで、本当の“フィーリングの合う人”が見えてきます
仮交際とは、「答えを出す前の準備期間」。感情の整理を怠ると、誤った判断や後悔につながります。
5. “選ばれる側”より“選ぶ側”の意識で動く
仮交際をしていると、「この人に嫌われたくない」「もう誰にも選ばれなかったらどうしよう」といった不安が頭をよぎることがあります。
ですが、本質は「この人と、安心して一緒に人生を歩めるか?」を自分自身が判断する期間。
婚活は、就職活動と似ている部分もありますが、決定的に違うのは「生涯を共にする相手を選ぶ」という点です。
- 相手のスペックや年収だけでなく、自分が「この人と自然体でいられるか」を軸にする
- 「選ばれる私」より「私が選ぶ」目線に切り替えるだけで、婚活に自信が持てるようになります
それでも迷ったら…同時進行の判断基準5つ【行動と感情でチェック】
同時進行の最中、「誰が本命なのかわからなくなってきた」「1人に絞るタイミングが見えない」と感じる女性は非常に多いです。
そんなときは、次の5つの視点を“自分の内面”と“相手の態度”の両方からチェックしてみましょう。
1. この人と将来の話をしても違和感がないか
例えば、「結婚後の仕事観」「子どもの有無や家族観」など、ライフプランに直結する話題を出したときに、相手がどう反応するかを見てください。
- 例Aさん(38歳・営業):「共働き希望? 俺の年収で足りないかな(笑)」→冗談めかして真面目な話を避ける
- 例Bさん(36歳・技術職):「どんな働き方が理想?僕も家事はシェアする前提だと思ってる」→誠実に価値観を共有する姿勢あり
価値観が合うかだけでなく、“話し合える関係性か”が非常に重要です。
2. 会話のテンポや価値観の一致を感じるか
- 話題を出さなくても自然と会話が続く
- LINEのテンポが無理なく合っている
- 意見が違うときも相手が否定せず受け入れてくれる
このあたりの“リズムの合いやすさ”は、実は一緒に生活を始めてからの満足度にも大きく影響します。
3. 一緒にいると自然体でいられるか
「今日は気を遣いすぎて疲れた…」
「どう思われるか気になって本音を言えなかった」
そんな時間が続く相手との関係は、どれだけ条件が良くても、いずれ無理が出てきます。
逆に、「肩の力が抜ける」「変に取り繕わなくても楽しく過ごせる」相手は、長期的な関係に向いている可能性大です。
4. 不安よりも「また会いたい」と思えるか
仮交際中は、相手の反応やLINEの間隔に一喜一憂してしまうものですが、心の奥に「次に会えるのが楽しみ」と思える感情が残っているかを大切に。
- 不安:返信が遅い、態度にムラがある
- 喜び:一緒に過ごす時間が純粋に楽しい、また会いたいと思える
恋愛的な“ドキドキ”よりも、穏やかな“安心感”がある人が本命であるケースは多いです。
5. 相手もこちらに対して誠実か
仮交際の段階では「誠実さ」が見えづらいという声もありますが、以下のような言動から人柄は十分に感じ取れます。
- 日程調整をまめにしてくれる/変更があれば理由を説明してくれる
- 支払い・マナー・言葉遣いなど、人に対する配慮がある
- LINEの返事は短くても丁寧、誠実さがにじみ出ている
行動は口よりも正直です。“自分への扱われ方”を客観視してみてください。
仮交際での“失敗から学んだ”リアルな声【感情の落とし穴に注意】
【体験談④】Sさん(36歳/広告代理店)
「仮交際を始めたとき、『この人は今までと違う』って思ったんです。すごく優しくて、LINEもまめ。私はすぐに他の人との連絡をフェードアウトして、1人に絞りました。でも、その人が突然『他に真剣交際に進む人ができた』って言ってきたんです。
自分の婚活が崩れたような気がして、何も手につかなくなりました。今思えば、自分が“選ばれること”に必死で、“選ぶ側”の視点を持てていなかった。もっと落ち着いて、同時進行を続けていれば、違う未来があったかもしれません」
分析と教訓:
Sさんのように、「この人だ」と思い込むと、他を切る判断が早くなりすぎることがあります。しかし仮交際はまだ“見極め”のフェーズ。相手がどういう意図で交際を進めているかは不確定な以上、自分自身を守る意味でも「複数の選択肢」を持っておくことは悪ではありません。
まとめ:あなたにとって“自然体で続けられる婚活”が正解
婚活は、ゴールではなくプロセスの連続です。そして、仮交際はその中でも最も“人間らしい揺らぎ”がある時期。
誰と、どんな関係を築いていくのか。将来を選ぶ立場として、自分の感情や直感、行動のパターンを丁寧に見つめることが何より大切です。
同時進行に対する迷いや罪悪感は、多くの女性が抱えています。ですが、それは相手に誠実でありたいという真摯な気持ちがあるからこそ。その誠実さは、必ず伝わります。
そして「2〜3人まで」という数の基準は、自分の気力・感情・時間のバランスを崩さないための、ひとつの目安です。
- 無理をしない
- 焦らない
- でもチャンスは逃さない
この絶妙なバランスの中で、“誰かに選ばれる婚活”ではなく、“自分が人生を選んでいく婚活”を、ぜひ歩んでください。
仮交際の先には、あなたの“素でいられる誰か”が待っています。
その出会いを信じて、一歩ずつ、心に正直な婚活を進めていきましょう。