「婚活のデートで、全然質問してこない男性がいて…」
彼女はコーヒーを見つめながら、ため息をついた。
「こっちが話を振っても、うんうんって頷くだけ。
なんか、“私に興味ないのかな”って思っちゃって。」
婚活で出会った男性が、自分に質問してこない。
それは、多くの女性が感じる“モヤモヤ”のひとつだ。
話を聞いてくれない、沈黙が続く、
こちらばかりが頑張っている気がする。
まるで、一方通行の会話。
けれど――その“質問の少なさ”を、
すぐに「脈なし」と決めつけてしまうのは、少し早いかもしれない。
婚活の場で「質問してこない男性」に出会うと、
多くの女性はこう思う。
「私に興味がない」
「つまらないと思われてる」
「気を遣っても無駄かもしれない」
でも実は、“質問をしない理由”にはいくつかのタイプがある。
一つは、緊張しているタイプ。
人見知りで、どう会話を広げていいかわからず、
ただ相手の話を聞いてしまう。
もう一つは、聞き上手に徹しているタイプ。
“自分が話すより、相手に気持ちよく話してもらいたい”と考えている人。
そして、もう一つが、本当に興味がないタイプ。
これは確かに「脈なし」の可能性が高い。
つまり、“質問がない=興味がない”ではなく、
「どうして質問がないのか」を見極めることが大切なのだ。
緊張している男性は、
一見“無口で退屈”に見えるけれど、
本当は“あなたの前でどう振る舞えばいいかわからないだけ”ということが多い。
婚活の場では、誰だって少なからず緊張している。
自分をよく見せようとすればするほど、
頭の中が空白になってしまうこともある。
だから、彼が無言だったからといって、
あなたに興味がないとは限らない。
もしかしたら、あなたの前で言葉を選びすぎているだけかもしれない。
もし彼が少しぎこちない笑顔で頷いていたなら、
それは“居心地の悪さ”ではなく、“失敗したくない”という真面目さの表れかもしれない。
反対に、「聞き上手タイプ」の男性もいる。
一見、質問していないように見えても、
相槌のタイミングが自然で、
あなたの話をちゃんと覚えてくれている人。
その場合、彼は“質問”ではなく“共感”でコミュニケーションを取っている。
たとえば、あなたが「最近カフェ巡りが好きで」と言うと、
「へえ、どんなカフェが好きなんですか?」と質問する人もいれば、
「僕もコーヒー好きです。浅煎り派ですか?」と自分の話を重ねる人もいる。
質問という形式ではなくても、
“関心を示す”ことはできる。
だから、
「質問してこない男性=会話が成り立たない男性」ではない。
むしろ、“言葉以外の反応”をよく観察することが大切だ。
目線、表情、声のトーン。
それらのすべてが、彼の“本音”を語っている。
では、本当に“興味がない男性”はどう見分ければいいのか。
それは、あなたの話に「心の動き」がないときだ。
あなたが何を話しても、「そうなんですね」で終わる。
話題を変えようともしない。
自分の話も広げない。
このタイプは、
“ただその場をやり過ごしたい”だけの人。
どれだけあなたが頑張っても、
会話のキャッチボールにはならない。
そんなときは、
「自分に原因がある」と思わないでほしい。
婚活では、“合わない人”に出会うのが普通。
むしろ、“合う人”に出会えるほうが奇跡に近い。
会話が続かないのは、あなたの魅力が足りないからではない。
たまたま“テンポの違う人”に当たっただけのこと。
婚活で「質問してこない男性」に出会ったとき、
つい“沈黙”を恐れて、
自分が一方的に話し続けてしまうことがある。
でも、無理に場を埋めようとすると、
あなたの本来の魅力が見えなくなってしまう。
会話は“量”ではなく、“温度”だ。
沈黙を恐れずに、
ゆっくり相手を見つめて、
「あなたはどう思いますか?」と聞いてみる。
その一言で、
彼の心の扉が少し開くこともある。
婚活の会話で必要なのは、
“盛り上げる力”ではなく、“引き出す力”。
そして、“待てる余裕”だ。
ある女性が言っていた。
「最初のデートでは、全然質問してこない人でした。
もうナシかな、と思ってたんですけど、
2回目に会ったら、急にすごく話してくれて。
“前回、緊張してて話しかけられなかった”って笑って言われました。」
彼女はその男性と、今は穏やかに付き合っている。
“沈黙”の裏には、“誠実さ”が隠れていることもある。
焦って判断しないことで、
見える景色が変わることもあるのだ。
婚活では、「会話のテンポが合う人」が理想に思える。
でも、
“話が盛り上がる人”=“相性がいい人”とは限らない。
本当に相性がいい人は、
“沈黙も怖くない人”だ。
言葉がなくても気まずくない。
沈黙の中に、安心がある。
それが、
長く続く関係を築くために欠かせない感覚だ。
婚活で「質問してこない男性」に出会ったら、
その沈黙を、試されていると思ってみてほしい。
“相手を見極める”ための時間であり、
“自分の心を映す鏡”でもある。
焦って会話を盛り上げなくてもいい。
「質問してくれない=価値がない」ではなく、
「この人とは、どんな静けさを分かち合えるだろう」と見つめてみてほしい。
言葉が少ない人の中にも、
温かさや誠実さは確かに存在する。
あなたがその静けさに耳を傾けたとき、
初めて見える“人の本質”がある。
婚活で大事なのは、
「どれだけ話せるか」ではなく、
「どれだけ心が通うか」。
質問してこない男性に出会ったときこそ、
その違いに気づけるチャンスかもしれない。
言葉よりも、
目の前の人の“空気”を感じてみて。
そこに、
あなたが本当に求めていた“穏やかな愛”が、
静かに息づいているかもしれない。